■ 抄録・要旨
| 埼玉県の気温上昇率は極めて高く、熊谷気象台の気温上昇率は関東地方では東京に次いで高い。特に近年の昇温傾向は顕著で、熊谷気象台の1980年から2009年の平均気温上昇率は、6.0℃/100年であり、東京の上昇率4.9℃/100年より高い。このような急激な気温上昇は地球規模の温暖化による影響だけではなく、都市化による昇温現象、すなわちヒートアイランド現象による影響も大きい。環境科学国際センターでは、この様な地球温暖化やヒートアイランド現象をモニタリングするため、独自に二酸化炭素濃度の精密モニタリングや、学校百葉箱を利用したヒートアイランド現象調査などを行っている。また、温暖化による農作物や自然環境などへの影響についても、情報収集や実験的な取組を行っている。地球温暖化の影響は日本のような中庸な気候の地域でも顕在化しつつ有る。今後は緩和策だけではなく適応策への取組も欠かせない。
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